料理研究家ウー・ウェンさん北京家庭料理の手引「料理の意味とその手立て」
こんにちは、広島蔦屋書店の河賀です。
気づけば今年も残すところあとわずか。
2021年は昨年に続きパンデミックの影響下でしたね。
あらゆる面で我慢の年だった方も多いのではないでしょうか。
そしてまだ終わったわけではなく、これからどうなっていくのか、今後どのような影響があるのかも未知ですね。
そんな中でも変わらず自分にできることのひとつに食べることがあります。
今回おすすめする本はレシピ本でもありますが、こんな今だからこそ役に立つ医食同源についてのお話しでもあります。
料理をあまりしない人にもぜひ読んでいただきたい1冊です。
生活・暮らしに根ざした中国の食文化を伝える本「料理の意味とその手立て」
中国・北京生まれのウー・ウェンさんは、知人にふるまった中国の家庭料理が話題となり、クッキングサロンを開設しました。
サロンでも本書でも生活、暮らしに根ざした中国の食文化を伝えています。
中華料理と聞くと油っこいイメージがあるかもしれませんがウー・ウェンさんの教えてくれる料理は、とても優しいのです。
体にも心にも。
レシピ以外に向き合うことも記されている
一番最初に登場する「もやし炒め」は、言ってしまえばもやしを炒めるだけなのですが、5ページにわたりその手立てが書かれていて、もやしを炒めるだけの”それ”をわたしは作らずにはいられませんでした。
興味がわいてきた方はそれだけでも真似してみてほしいです。
まさに「もやし炒めはごちそうです」。
その他の料理も単にレシピだけでなく、煮る、蒸す、炒める、揚げる、なぜそうするのか調理の仕組み、調味料の使い方や素材と向き合うこと、などをとても分かりやすく手立てとして記してあります。
まるでウー・ウェンさんのサロンに参加しているような気分になります。
個人的に最近はまっている棗(なつめ)と金柑もおすすめされていたのですが、年齢や体調によって体が欲しているのかもと納得しました。
それぞれの文化に触れ、尊ぶことは奨励すべき
中国と日本の関係は良好といえるものではないかもしれませんが、だからこそ中国の文化を知ってほしいというウー・ウェンさんの気持ちはとても尊重できます。
国と国の関係がどうあろうとも、それぞれの文化に触れ、尊ぶことは奨励すべきことで、医食同源もまたどのような状況下でも大切なことだと思うのです。
忙しさにかまけて時短どころか総菜を買って帰ることも少なくないわたしですが、料理の意味とその手立てを意識して、どうせ作るならおいしいものを、という気持ちでいたいと思います。
そう、わたしの趣味は「吃飯」(チーファン)!ご飯を食べること、ですから。
今月のおすすめもう一冊
今月のもう一冊は、LLCインセクツの「MY FAVORITE ASIAN FOOD」。
アジア各国60名のイラストレーターのお気に入り、また思い出深い料理のイラストとテキストを掲載した一冊。
どこにでもあるものからこれは何だというものまで、作家の表現力の中でそれぞれの思い出もまたそれぞれに表現されています。
いざアジアへ、レッツ脳内トリップ!
どうぞ皆様おいしいご飯と共によいお年をお迎えください。
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