
あなたもきっと食べたことある!歴史と辿る「ファッションフード」の世界

こんにちは。広島蔦屋書店の河賀です。
全国緊急事態宣言という未だかつてない状況下、色々思うところもありつつ過ごされていることと思います。
あらゆる制限をかけられて先の見通しも立たない今、本当に必要なものや大切なものって何だろうと考えてみたりします。
考え方や感じ方は三者三様ですが、個人的にも人類的にも大切なもののひとつに「食」はあるのではないでしょうか。
生きていくための食はもちろんですが、わたしは楽しむ食も大切にしたいと思います。
「ファッションフード、あります。」

今回は、戦後日本人はいかに食を楽しみ、消費するようになったのかを綴る文化史「ファッションフード、あります。」をご紹介します。
まずファッションフードとは何か!
現代の日本では食べ物まで「新しい」という価値観が支配し、激しいはやりすたりを繰り返している。
このようにファッションとして消費されるようになった流行の、特に外来の食べ物を、節操なく新しいものを求めてきた日本文化への皮肉と愛をこめて「ファッションフード」と名づけようと思う。
−『はじめに』より引用
チーズケーキ、ティラミス、モツ鍋、B級グルメ…
そう、わたしたちの大好きなはやりの食べ物について戦後から現代まで、その他ポップカルチャーや時代の流れと共にかけぬける380ページは超読み応えあり!
ファッションフード好きにはぜひ読んでいただきたい1冊です。
戦後から現代までですからね、こちらも少し長くなりますがお付き合いください(笑)
はじまりは大阪万博
ファッションフードの兆しは江戸時代からあったと本書前史でふれていますが、70年代日本人を世界各国の「おしゃれでおもしろい食べ物」に開眼させ、大人から子どもまでもをファッションフードに駆り立てる助走となったのはあの大阪万博。
ソ連館のピロシキ、フランス館のフランスパン、イタリア館のピッツァ、あこがれの外国料理の初めての味に、みな興奮し、感動したそうです。
中でも群を抜いて人気だったのはやはりアメリカ館で、出店したロイヤル(現ロイヤルホスト)はファミリーレストランという業態を認知させたのです。
人生初のハンバーガーなんて、目が回るほどおいしかったことでしょう。
70年代中盤生まれで常日頃若返りを望んでいるわたしですが、万博の熱狂ぶりを味わえるのであればもう少し前に生まれたかったと思うほどです。
「an an」「non-no」による食べ歩きのレジャー化
また本格的なファッションフード成立を牽引したのは「an an」「non-no」といった新創刊女性誌で、食を義務から趣味や娯楽へと転換させたのです。
食べ物をファッション雑貨やはやりの映画などと同列に語り、今でこそ珍しくもないですが、食べ歩きをおしゃれなレジャーとして確立させたのはアンノンといっても過言ではないでしょう。
この頃のアンノンはどうやら今読んでもとてもおもしろそうです。古本で見つけたら必読ですよ。
現代とは少し違う編集者の熱意を感じられるのではないでしょうか。いい時代ですね。
話がそれましたが、ここからファッションフードは怒涛の盛り上がりをみせます。
マクドナルド、ケンタッキーフライドチキン、ミスタードーナツ、(あ、今なら50周年記念で復刻なつかしのオサムデザインボックスに入れてもらえますよ!)メジャーなファッションフードが次々にうまれます。
CMやパッケージが魅力的な80〜90年代
そして時はバブルへ向かう80年代。
この辺からはわたしもファッションフード誕生に立ち会えてきます。
栄養ドリンクのブームでリゲインやカロリーメイトもこの頃ですが、特におしゃれだったのがファイブミニ、「ヤマダかつてないうまさ」(キャッチコピー)のCMとセンスのいいミニボトルはとても魅力的でした。
食は飽和状態で贅沢な時代ですね。
まだまだバブルの90年代、無国籍料理やイタめしが大流行します。
イタリア熱からティラミスが登場し、近年大流行したタピオカの第1次ブームもこの頃です。
時は世紀末、ファッションフード自体が産業化し、食べすぎた日本人は情報を食べだすのです。
そして粗食に帰り、スローフードがやってきます。
現在はSNSを通じて沸くファッションフードが主流に
そして現在、若者を中心にSNSを通じて沸くファッションフードが主流となりましたが、食事はコンビニのおにぎりでよかったりと食への関心のうすさも目立ちます。
本書を読んでいると70年代のような熱気に満ちたファッションフードにあこがれますが、SNSで情報を得ることもあるしコンビニ好きも否定できません。
これからファッションフードはどこへ向かうのでしょうか。
現状でいうと、テイクアウトやデリバリーが必須ですね。
今までなら行かなければ食べられなかったお店の料理がお家で、しかもランチもやってたりしますからぜひ活用したいですね。
デリめしをファッションフードにしていきましょう!
そしてまた心揺さぶられるファッションフードの登場を願っています。ファッションフード万歳!
これも読んでほしい!1冊を紹介。

「おやつ」とはなんだろう。
伝えたいのは、おやつがあることで得られる時間の豊かさ。
おやつにまつわるあれこれを、世界中を旅しながら、食や暮らし、文化、歴史、科学といった、さまざまなテーマで迫っていくのが、この〈おやつマガジン〉です。
創刊号では「みんなの、おやつ物語」をテーマに作家14名による、ごく個人的なおやつにまつわるエピソードをお届けします。
紹介した本は広島蔦屋書店にて

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