
広島蔦屋書店で食の本を担当しています。仕事で料理をすることもありますが、作ることよりも食べることが好きなアラフォーです。本はもちろん好きですが、本屋さんが好きです。甘いものと、古いものと、かわいいものとか色々好きです。休日に一人で定食屋さんや喫茶店に行くのが最近の楽しみです。
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こんにちは。広島蔦屋書店の河賀です。
いよいよ令和元年も終わり令和2年がはじまります。
一年を振り返ってみるといろんな事があったなぁという思いと、相変わらず何も変わってない自分がいるような気がします。
最高に楽しい時間やちょっと嬉しい時、悲しい出来事や最悪な気分、生きていれば色々あるわけですがそんなあらゆる場面で自分は何を思い、どう行動したんだろう。
この一年の自分と向き合う、なんて大げさなことではないですが、冬休みにはゆっくりと海外文学なんぞ読んでみてはいかがでしょうか。
わたしが今年読んだ中で自分と向き合う(なんて大げさなことではないですが)ためにもう一度読んでみるとしたらこれかなという本をご紹介します。
作者は作家でありアーティスト、ミュージシャン、映画監督など様々な肩書をもつミランダ・ジュライ。
ユニクロのグラフィックTシャツブランド「UT」とのコラボTシャツでご存じの方もいるかもしれません。
なんかズレてるこじらせアート女子であって抜群の才能の持ち主である同年代の彼女と自分とは似ているところは微塵もなさそうだし憧れでしかないんですが、作品や活動から繋がりを意識させる彼女のメインテーマは、孤独と愛のような気がして…そこが自分にフィットするのかなと思います。
(わたしのメインテーマは孤独と愛だったのか!道楽と快楽じゃなかったっけ)
あらすじ
あらすじは、妄想がちなこじらせ中年女性シェリルと、美人で巨乳で足が臭い20代のクリーという正反対の二人の共同生活を中心に描かれていきます。
心も体もぶつかりあう二人は何を求め、何を失うのか。
またシェリルが想いを寄せる年上男のフィリップとの妄想まじりの関係の行方は?
シェリルが9歳の時に出会い生き別れとなった運命の赤ん坊クベルコ・ボンディとは一体…
幾重にも絡みあった人々が紡ぎだす奇妙で予測不能な物語。
それぞれの人間の描写が素晴らしく、感情が見事に表現されています。
ちょっとずつダメな登場人物はみなどこか自分自身であるようで、同情し、呆れ、愛おしくも思えます。
そしてボロボロなまま走り抜けて成長していくシェリルから、人が生きていく痛みと温かさを教えられます。
ミランダ・ジュライの初小説集。強烈な個性と奇妙な優しさに満ちた16の短編集。
フリーペーパーに売買広告を出す人々を訪ね話を聞いたノンフィクション。ひとりひとりの忘れがたい輝きに光をあてる、胸を打つインタビュー集。
冬休みには「ミランダ・ジュライ」をいかがでしょうか?
今回ご紹介した「THE FIRST BAD MAN 最初の悪い男」は、物語の内容を単純に楽しもうとすると読みやすいとはいえないかもしれませんが、こじらせ女子にはぜひトライしていただきたい1冊です。
冬休みのお時間を少しミランダ・ジュライにくださいな。
本書の翻訳を手掛けられた岸本佐知子さんも―「ダメ」で「孤独」な私たちにはミランダ・ジュライが効く― とおっしゃってます。
今回ご紹介した本は、広島蔦屋書店にございます。(在庫がなくなっている場合もあります)
気になった方は書店員までお声かけください。